この記事では、布団に入っても仕事の考え事が頭から離れず眠れない理由と、その対処法についてお伝えします。
その眠れなさ、ちゃんと理由があると思ったことはありませんか
「あと2時間だけ眠れたら」。布団の中でスマホの時計をそっと確認しながら、そんなことを考えた夜はありませんか。
こんな瞬間に、心当たりはありませんか。
– 布団に入ったとたん、明日の会議のことや、まだ返しきれていないメッセージのことが頭を巡り出す
– 目を閉じているのに、意識だけが冴えて、何度も寝返りを打ってしまう
– 気づけば夜中の2時、3時になっていて、朝の自分を想像してさらに焦る
仕事を少しでも早く終わらせようと頑張って、気づけば日付が変わっていた。理想としてはもっと眠りたいのに、現実はなかなかそうさせてくれない。その差に、心がすり減っていくような感覚を抱いている方は、実はとても多いのだと思います。
今まで、よく頑張ってきましたね。眠る時間を削ってまで何かをこなしてきたのだとしたら、それは決してあなたが怠けていたからではありません。それだけ責任感を持って、日々と向き合ってきた証なのかもしれません。
実は私自身も、締め切り前になると「あと2時間だけ」を繰り返して、気づけば3時間しか眠れていない、ということが何度もありました。ある納品前日の夜、布団に入ってからもパソコンの続きが気になってしまい、結局スマホでメールを開いてしまったことがあります。画面の明るさで余計に目が冴えて、時計を見ては「あと2時間」と自分に言い聞かせる。それを何度も繰り返しているうちに、気づけば空が白み始めていたこともありました。翌朝、些細な一言にイライラしてしまって、自己嫌悪になったこともありました。
「怒らせたかもしれない」その決めつけ、本当でしょうか
睡眠が足りていないと、些細なことにイライラしてしまったり、誰かの一言が必要以上に胸に刺さってしまったりすることがあります。既読がついたのに返事が素っ気なく感じられて、「怒らせてしまったかもしれない」と勝手に不安になってしまう。そんな経験がある方もいるかもしれません。
でも、少し立ち止まって考えてみると、その返事が素っ気なかったのは、相手がただ忙しかっただけかもしれませんし、特に他意はなかったのかもしれません。本当に「怒っている」と言い切れる根拠は、実はそれほど多くないことに気づくこともあります。
もうひとつ、会議中に同僚の何気ない一言に必要以上にムッとしてしまい、後になって「あんな言い方をしなくてもよかったのに」と、その一度のことを、自分の人間性全体の問題のように広げて考えてしまうこともあります。でも、それは眠れていない日にたまたま出てしまった反応であって、あなたの普段の姿を表しているわけではないはずです。
例えば、引き受けた仕事は最後まできちんとやり遂げなければ、と自分を強く律してしまう責任感の強いタイプの方ほど、無理をしてでも眠る時間を後回しにしてしまいやすいのかもしれません。人一倍まじめに仕事と向き合ってきたからこそ、その反動が睡眠不足という形で出てしまうのだと思います。
これは、あなたの性格が悪くなったわけでも、心が弱くなったわけでもありません。眠りが足りないとき、脳の中で「危険を知らせる部分」が、普段よりも過敏に働いてしまうと言われています。いわば、疲れた脳が「これ以上傷つかないように」と、警報のボリュームを上げすぎてしまっているような状態です。本来なら聞き流せるはずの音に、必要以上にびくっとしてしまうのと、似ているのかもしれません。
だから、いつもなら気にならないはずのことにまで、心が過剰に反応してしまう。それは仕組みの問題であって、あなたの人間性のせいではないのです。
静かな夜に、同じように眠れずにいる人がいます
理想の睡眠時間と、実際に眠れている時間にずれを感じている社会人は、決して少なくないと言われています。もしあなたが同じように感じているとしたら、それはあなただけが特別に弱いからではなく、同じような夜を過ごしている人が、思っている以上にたくさんいるということなのかもしれません。
だからといって、今日から無理に生活を変えなければいけないわけではありません。「眠れていないから、心が敏感になっているだけなんだ」と、まずはその仕組みを知っておくだけでも、十分に意味があると思います。理想の睡眠時間を取れていないことを、意志の弱さのように感じてしまう必要はないのだと思います。
もし何か試してみたい気持ちがあれば、ひとつだけ、簡単な方法をお伝えします。寝る前に、スマホを布団から少しだけ離れた場所に置いてみる、というものです。私自身、枕元に置くのをやめて充電を部屋の反対側にしてみたら、「あと2時間」のループから少しだけ抜け出しやすくなりました。手を伸ばせば届く距離にスマホがあると、つい時計を確認してしまい、そのたびに「まだこんな時間か」と焦りが増してしまう。その悪循環を、少しだけ断ち切りやすくなるのだと思います。難しい工夫ではないので、今夜だけ試してみる、くらいの軽い気持ちで大丈夫です。
もうひとつだけ挙げるとすれば、頭の中でぐるぐる巡っていることを、紙に数行だけ書き出してみる、という方法もあります。「明日の会議」「あのメッセージ」というように、単語を並べるだけでも構いません。頭の中に置きっぱなしにしていた考えを、少しだけ外に出してあげるようなイメージです。書き出した紙は、そのまま枕元に置いておくだけで大丈夫です。「もう書いたから、朝考えればいい」と、頭の中の付箋を一枚剥がすような感覚になります。
もちろん、それすら難しいと感じる日があってもいいのです。通知を切って、今日はただ眠ることだけを優先しても、誰もあなたを責めたりしません。
今夜は、少しだけ早く目を閉じてみませんか
眠れない夜も、眠りが浅い夜も、あなたが何か間違っているからではありません。ただ、少し疲れがたまっているだけなのだと思います。
明日も、無理せず、あなたのペースで大丈夫です。この画面を閉じたら、今夜はいつもより少しだけ早く、目を閉じてみてくださいね。
